余命6ヶ月
男の子の頭は産毛のような毛が少しだけ生えていた。男の子は自分の病気の意味も知らずにいると思った。
「医者からはなんて言われてるの?」

僕は遠回しに聞いて見た。
「ドナーが見つからないと6ヶ月までって言われてる、ねぇお兄ちゃん?ドナーってなに?」

説明が出来なかった。
だから、

「大切なもの」

としか言えなかった。

「それが無いとどうなるの?」

不安げな男の子の表情に僕は、

「大丈夫!心配することはないよ」

絶対死ぬなんて言えなかった。なんでこんなに小さい子供にまで神様は・・・僕は神様を恨んだ。

「お兄ちゃん僕自己紹介してなかった、僕の名前は、田中しょう漢字では勝(かつ)って読むのお兄ちゃんは?」

一瞬ドキッとした、漢字が一緒で余命も一緒だった。
「お兄ちゃんは、木野勝って言うの漢字では勝くんと一緒だよ」

偶然って凄いそう思った。
「わぁ」

そう言うと勝くんは窓の所へ行った。外を見ると雪が降っていた、まだ秋なのにそう思った。
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