余命6ヶ月
「失礼します」

そこは、個室で窓の大きな所だった。お医者さんの気遣いなのだろうか、精神的に病んでいる人には一人が1番だということかと僕は思った。僕に気づいた彼女は、

「あっ!勝ちゃん、ごめん心配させちゃった」

少し痩せこけた春菜の姿に、なぜか涙が出て来る。春菜の無理矢理作った笑顔にも一筋の涙が流れた。

「なんで連絡してくれないんだよ、なんで一人で悩んでんだよ」

僕の言葉に春菜の目から涙が溢れ出した。

「まだ、入らない方がよさそうですね」

お母さんとお医者さんが気を使ってくれてた。

「勝ちゃん、本当・・・ごめんね」

責めるつもりはなかった、酷いことをしたと思った。
「はるな・・・」

うつむく顔をあげた春菜に僕はそっとキスをした。
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