Colorful World
それは傷痕
* * * * *
「きゃー!もうなんなのよー!雨降らないって天気予報ではそう言ったじゃん!」
仕事終わりの帰り道。
天気予報のお姉さんが、雨は降らないって言ったからそれを信じて傘を持って行かなかったというのに…この有り様。
とりあえず家までの全力疾走を試みている最中。
大粒の雨が身体を濡らしていく、4月半ば。
雪城さん、そして謎の男の子が来てから早いもので2週間経った。
雪城さんとあたしはなるべく食事を共にし、協力して生活をしているけれど、空は相変わらず…というか引きこもり率が上がっている。
もう一人、名前も分からない男の子の方はいつどう生活しているのか全然分からない。
お風呂は…多分夜中に入ってるのかな。
とりあえず、あたしや雪城さんが活動している時間帯には絶対に出てこない。
部屋の前に置いたご飯は食べてくれているみたいだから、死んじゃうってことはないだろうけど…心配ではある。
だって、顔が見えないから。
「どうしたらいいのかなぁ…。」
こうも閉ざされてしまうとどう踏み込んでいいか分からない。
どうしてここに来たのかだって…。
「分かんないことばっかだ…。」
そう呟いた瞬間…
ドンッ!
「あっ!ご、ごめんなさいっ!」
視界が悪かったせいもあって、あたしは自分よりも小さい〝人〟にぶつかった。
「きゃー!もうなんなのよー!雨降らないって天気予報ではそう言ったじゃん!」
仕事終わりの帰り道。
天気予報のお姉さんが、雨は降らないって言ったからそれを信じて傘を持って行かなかったというのに…この有り様。
とりあえず家までの全力疾走を試みている最中。
大粒の雨が身体を濡らしていく、4月半ば。
雪城さん、そして謎の男の子が来てから早いもので2週間経った。
雪城さんとあたしはなるべく食事を共にし、協力して生活をしているけれど、空は相変わらず…というか引きこもり率が上がっている。
もう一人、名前も分からない男の子の方はいつどう生活しているのか全然分からない。
お風呂は…多分夜中に入ってるのかな。
とりあえず、あたしや雪城さんが活動している時間帯には絶対に出てこない。
部屋の前に置いたご飯は食べてくれているみたいだから、死んじゃうってことはないだろうけど…心配ではある。
だって、顔が見えないから。
「どうしたらいいのかなぁ…。」
こうも閉ざされてしまうとどう踏み込んでいいか分からない。
どうしてここに来たのかだって…。
「分かんないことばっかだ…。」
そう呟いた瞬間…
ドンッ!
「あっ!ご、ごめんなさいっ!」
視界が悪かったせいもあって、あたしは自分よりも小さい〝人〟にぶつかった。