Colorful World
* * *

「ただいまー!」

 もちろん返事はない。空は人を迎えなどしない。

「…朝寝るって言ってたからもう起きてるかなーって思ったのに。締め切り明けだから一気に寝るのかな…?」

 玄関を通り抜けるとこの家全体の共通スペースであるリビングに辿り着く。旭はそっと灯りをつけた。
 リビングの右奥にはキッチン。ガスコンロが二つと黒のかなり大きな冷蔵庫が一つ。冷凍庫の使用率がかなり高め。そしてリビングの左奥にはバスルームと洗面台。
バスルームは標準サイズ。
 リビングをそのまま真っすぐ行くと各自の部屋に繋がっている。ひとまず荷物を下ろすため、旭は自分の部屋へと向かった。
 手前から左右に一つずつ、合計6部屋ある小部屋。手前の左側が旭の部屋。

「ふぅー…つっかれたぁ…。」

 カバンを放り投げながら、服を脱ぎ捨て、部屋着であるジャージに着替える。
 そんな時、不意に家の電話が鳴った。

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