台風の夜
「じゃあ、青山祐介と付き合いなさい!」
「はぁ?」
青山祐介とは同期の中で1番の出世頭の期待の星。
あたしとは入社当時から同じ部署。
「青山祐介とは同じ部署なんだからチャンスはいつでもあるでしょ」
「ないない。あいつはただの同期だよ」
優子は前からあたしと青山を付き合わせようとしている。
「優子、俺の上司に挨拶するから来てくれ」
「わかった~」
優子の旦那さんが優子を呼びに来た。
「じゃあね奈緒。あとは青山くんと一緒にいなさい」
クルリと反対に体を回され、背中を押された。
「うわっ」
押された反動で転びそうになる。
「あぶねーな」
「あ、青山」
丁度よく、目の前には青山。
「なんだ長谷川、おしゃれしちゃって」
今日のためにセットした髪を触られた。