仇恋アベンジャー
二人はしっかりと私を見据える。
「誤解?」
頷く二人が何を言い出すのか、怖い。
「私が何を誤解してるって言うんですか。第一私、何も話してないのに」
恵一とは連絡を絶ったし、雄輔にも母の過去は話していない。
誤解をしているとすればこの二人だ。
「マスターだって、この部屋を見てわかったでしょう? 私たち……」
血が繋がっているんです。
きょうだいなんです。
それなのに、してはいけないこと、したんです。
「違うよ」
食い気味に割り込んできたのは雄輔だった。
「はぁ?」
私、肝心なところは口に出してない。
あんたに聞かれないためなのに。
「だから、違うんだって」
意味がわからない。
何が違うのよ。
「俺たちを産んだのはこの母さんじゃない」