仇恋アベンジャー

やっぱり恵一の母から知らされていたか。

私に関わるなと強く言ってきたから、本人にも注意喚起があるだろうことは予想していた。

「思えば不可思議に思うことはたくさんあった。バイトに応募してきた時も突然だったし、そんな素振り一つも見せなかったのに告白してくるし」

確かに私の行動は突発的なこともあったかもしれない。

恵一が違和感を覚えてもおかしくない。

自分でも無茶苦茶なことをしたと思う。

「少しの違和感を感じても、お前は元々不思議な奴だと思ってたから……大して気に留めなかった」

おおらかな性格のせいなのか。

だから私は探りやすかった。

「お前の無断欠勤の理由が知りたかった。何か事件とか事故に巻き込まれたんじゃないかと思って、ビビってたよ」

「ごめんなさい……」


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