仇恋アベンジャー

口を開くと、やっぱりまた涙が出てきてしまった。

恵一は少し笑って話を続ける。

「次の日かな。雄輔が来たのは」

私に内緒で恵一の元を訪れていた雄輔。

「ワケあってお前が出勤できないから、自分を代わりに使ってくれって言ってきた」

そんなところまで雄輔に迷惑かけて。

本当に頭が上がらない。

「そのワケを聞かないと納得できないって言ったんだけど、お前に直接聞いてくれって言われたよ」

だけど私は電話にも出ないしメールを読むことさえしなかった。

「頭の中グチャグチャだったよ。お前はいなくなるわ、産みの親の娘は出てくるわ、更に雄輔は出てくるわで」


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