仇恋アベンジャー

恵一によると、明日は朝から匠先輩と外の飾りつけをやるらしい。

12月に入って町がきらびやかになるのは、こうして各々の店が努力をしているからなのだ。

「ところでマスター。この店って、オープンしてどのくらい経つんですか?」

赤と緑のテカテカしたプレゼント型の飾りを引っ掛けながら聞いてみた。

「一年半くらいかな」

「マスター、若いですよね。それなのにお店やってるとか、すごいですね」

「そうかな。まぁ、当時はまだ26だったし、我ながら勇気あったなと思うよ」

ねぇ、マスター。

母からもらったお金を、この店の開店資金にしたの?

聞きたいけど、ここはまだ我慢だ。

「匠先輩は、開店当初からいるんですか?」

「いや、従業員を雇い始めたのは一年くらい前から」

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