仇恋アベンジャー
ツリーはみるみる飾られていく。
飾りは赤、緑、金の三色で統一されており、ザ・クリスマスな王道ツリーになっていった。
最後に恵一が電飾を巻き付けて、私が位置を調節した。
恵一の身長よりも大きなツリーは電気の力で輝きを増す。
「わー! 超可愛い」
「おお、いいじゃん」
初めての彼氏と初めての共同作業。
これが好きな人となら、どんなに楽しかっただろう。
「思ったより大分早く終わったな。さすが女子」
「女子とかじゃなくて、センスだと思いますけど」
「言ってくれるじゃん」
そう言って恵一が私の脇腹をつつく。
そう言えば今朝から恵一の笑顔をよく見るような気がした。