仇恋アベンジャー
「彼氏できた」
そう言ったら友人の彩子(あやこ)が目を丸くした。
「年上、28歳」
さらに付け加えると、手に持っていた携帯をボトッとテーブルに落とした。
「ちょっ……いつの間に? 好きな人いるとか何も言ってなかったじゃん。コクられたの?」
一気に質問攻めする彩子。
彼女が納得するまで経緯を説明させられる羽目になった。
もちろん母が貢いでいたことなどは伏せた。
そうすると、話は自然と私が大胆に口説き落としたことになる。
「由紀って、そんな積極的なタイプだったっけ?」
「勇気、振り絞りました」
彩子には、私が恵一にベタ惚れしているように映っているに違いない。
彼女は私の手首を掴み、真剣な顔で言った。
「年上彼氏に見合う女にならなきゃ」
そしてそのまま街へと強制連行させられた。