仇恋アベンジャー
彩子が通っている服屋に押し込められた私は、呆然と立ち尽くす。
一方彼女はあれでもないこれでもないと眉間にシワを寄せて考え込んでいる。
着せ替え人形と化した私は彩子があてがう服に絶句していた。
背中の広く開いたカットソー。
デコルテを大胆に見せるデザインのワンピース。
テロテロした生地のシャツ。
私、こんな大人っぽい服、着たことない。
私は身長が低いことも災いして、実年齢より幼く見られることが多い。
顔も幼いし、酷いときには中学生に間違われることも。
それを思うと、たしかに恵一には見合わない。
でも、それでもいい。
だって私は恵一とお似合いのカップルになりたいわけじゃないんだから。
「由紀ー、これ、試着して」
たくさん服を抱えた彩子は楽しそうだ。