【短】猫似男




「ねぇまだー?」


「もう少し」


食べ終えた食器を片付けるあたしの後ろから声がする。

テレビの前に座ってるくせに、ちっともテレビを見てない。


「俺寂しいよー」


離れてるっていう距離でもなければ、時間だってそんなに経ってない。

ほんとにかわいいんだから。


……なんて、浮かれてたあたし。


急に後ろからギュッと抱きしめられて、ビックリした。


「ゆーきーとー?驚かせないでよね」


あたしの声にも無言で抱き着いたまま。

どうしたんだろ…?


ギュッて少し力が加わったかと思ったら。


「俺のこと好き?」
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