【短】猫似男
「一緒にお風呂入る?」


キスを続けながら、呟く声がいつもより色っぽい。


「無理。恥ずかしいよ…」


幸人とお風呂に入ったことはない。


まだ付き合って一ヶ月。

どうしても、全部見せるのには抵抗がある。


「エッチはしたのに?」


それとこれとはまた違う問題。


「ダメ…あっ…」


「じゃあベッド行く?」


首に下りてきた唇と、優しく動く手のせいで、段々何も考えられなくなってきた…。


「……うん」


「ははっ、杏奈、泡のついた手は洗わなきゃ」


猫にいいように操られるあたしは、何になるんだろう?
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