とある國のヒメ
「姫」という名
長い長い夢を見たような気がした。
あの夢。
私ね、ほんとは「姫」なんかになりたくなかったの。
姫なんか嫌。
敬語なんか使われるのもいや。
姫って呼ばれるのもイヤ。
ほんとはみんなにファナって名前でよんで欲しかったの。
姫としてではなく、一人の女の子として。
みんなに見て欲しかった。
・・・今では、そんなこと思えなくなってしまったけれど。
姫であることが当たり前すぎて。
でも、やっぱり思ってしまうことがあるんだ。
私がもし「姫」じゃなかったら・・・って。