とある國のヒメ
この城にはファナと同じくらいの年の子がいなくて、唯一年が近いのはカイだった。
そんな状況もあってファナたちはすぐに仲良くなった。
カイとはしゃいでいると、城の大臣が廊下の奥に見えた。
こちらへと近づいてくる。
ファナに何か用なのかな?
「姫さま、国王さまがお呼びです。」
「ん~。・・・急ぎの用事ですか?」
国王様というのは、ファナのお父様だ。
「はい。」
「そっかぁ・・・。分かりましたっ。今から向かいます。」
カイともう少し話していたかったのにな。
でもお父様がお呼びなら仕方がない。
「カイ!また後で戻ってくるから。誕生日のお祝いしてあげるっ!」
ファナはカイに向かって笑顔で手を振った。
カイも、笑って手を振った。
ファナはお父様がいるはずの部屋へ歩き出した。
あれ?
「大臣、あなたはいかないのですか?」
なにやらカイにも伝言を伝えているようだ。
「すみません、今いきますっ。」
慌ててこちらへと戻ってくる。
そんなに慌てなくてもいいのにな。