とある國のヒメ
「それでは、私はここで。」
ムソク大臣が下がり、扉が閉じられる。
国王の部屋にしてはガラリとした殺風景な部屋。
中には、お父様とお母様、そして私だけだった。
「突然呼び出して、すまなかったな。」
お父様がはじめに口を開いた。
「お父様!どうしたの?突然だったからびっくりしたわ。」
「まぁまぁ。とりあえず座りなさい。」
私はお父様の前にある椅子に腰掛けた。
「ファナ、お菓子があるのよ。食べる?」
「うん!食べる。」
お母様が、私に甘い香りのするお菓子を差し出す。
私のお母様はとても優しい。
・・・というか、お父様もお母様ものほほんとしていらっしゃる。
でも。
私はこの雰囲気がとても好き。