とある國のヒメ
「姫さま、城の外に出たとはいえ、ここにいては危険です。移動しましょう。」
「・・・お父様とお母様は?それに、うばやも。逃げないの?」
「・・・。」
「あとからいくと言っていたわ。」
「・・・。」
「カイ!」
カイは答えない。
「おいっ!いたぞ、こっちだ!!」
城の方向から声がした。
と、同時に、たくさんの足音が近づいてくる。
「姫さま。話はあとだ。さぁ、早く!」
「いやっ!みんなも連れて行かなきゃ!」
みんなはどうするの?
おいていくなんていやっ。
どんどん足音が大きくなり、そして、ついに―――
見つかった。