とある國のヒメ
「俺はただ姫様を守りたいと・・・支えになりたいと思っていままで生きてきた。あんたが姫だろうがなんだろうが、この気持ちは変わらない。」
本当に?
「前にも言ったことがある気がする。俺はあんたが姫だからそばにいるわけじゃない。あんただからそばにいるんだ。」
―――俺だってあんたが姫だから一緒にいるわけじゃない―――
いつかのカイが言ってくれた言葉。
あの時と同じ。
「・・・ありがとう。」
これも同じ。
今も昔も、私ができることは一つ。
―――ありがとう―――
私、昔から変わってないね。
「あんたがいらないっていうまで、俺はずっとそばにいるよ。」
・・・いらないなんて、言うわけないじゃない。
「ずっと、私を守ってくれる?」
「ええ、ずっと。わたくしの命にかえましても。」
「・・・ぷっ。あははっ。」
つい、こらえきれずに笑ってしまった。
「なんすか急に。人がマジな時に・・。」
だって。
だって!
「カイが「わたくし」だなんて似合わないー!」
「ひでー!かしこまった席とかでは俺っていっちゃダメなんですよ。」
でもやっぱり似合わない。
「・・・でも・・・・・・・みたいで。」
ぽそっと聞こえない程度につぶやかれたことば。
(でもよかった。少しは元気になったみたいで。)
そのあとはむこうを向かれてしまった。