ラブラボ! ~恋は華麗な復讐ゲーム~
「席なくね?」



まだあどけない感じの男の子が、鳴海圭吾を振り返って言うと、



中性的な感じのするもう一人の男の子が、形のいいあごを指でつかんで、首を傾げた。



「今日はやけに男人口が多いね。どうしたんだろ」



私は、彼らに気づかれないように視線をそらしながら聞き耳を立てる。



雪美の要望は、あくまで自然に、偶然に出会うことなんだもの。



と、雪美の指令に忠実な私の耳に届いたのは、ゾクッとするほど艶っぽい声。



「仕方ないな。場所をかえよう」



その、あまりにも色気を含んだ声に反応した私は、思わず顔を上げて、彼らを直視してしまった。



わ、マズい!



と気づいたのは、その直後。



鳴海圭吾は、まるで私の視線をからめとるように、まっすぐこちらを見つめていた。



わわっ、一体なに、何なのっ!?
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