ラブラボ! ~恋は華麗な復讐ゲーム~
え、なに?



振り向くと、その人は屈託のない笑顔で話しかけてきた。



「失礼ですけど、お一人ですか?」



……はい?



「実はさっきから見てたんですけど、待ち合わせだったら悪いなと思って」



これって要するに、ナンパされてるってことで正解かしら。



「でも、誰かを待ってる感じでもないし、もしかしてすっぽかされたのかなって」



爽やかに失礼なことを言ってくれるじゃない。



悪いけど、ナンパされてついて行くような女じゃないんですからね!



そもそも、会社員がこんな時間にこんなところで何やってんのよ、仕事はどうした仕事は!


「すみません、私そういうの興味ないので」


ところが、その男は慣れてるのか、私の拒絶をきれいにスルー。



「俺、芸能関係の仕事してるんだけど、夜まで暇なんだよね。ね、もし時間あったら、食事でも行かない?」



食事!?



「行きません」



「え、どうして?」



あのねぇ、今忙しいの!



友達をヤリ逃げした最低男に復讐しなくっちゃいけないんだから!



とはさすがに言えないので、私は無視して立ち上がる。



と、ちょうどそのとき、鳴海圭吾が店を出ようとしているところだった。



ヤバい、逃げられちゃう!



「え、もう出ちゃうの? ちょっと待ってよ」



「え、ちょっと」
< 20 / 22 >

この作品をシェア

pagetop