ラブラボ！ ～恋は華麗な復讐ゲーム～

その瞬間、私のこめかみが短くピクリと動いた。



雪美が上目遣いでこんな顔をするときは、たいてい、無理難題なお願いに決まってる。



それは、我侭な幼馴染に21年間も振り回されてきた私の、本能的な直感とも言うべきもの。



つまり、できれば避けたい。



というか、絶対に引き受けたくない！



のだけれど･･････。



「こんなこと、舞花にしか頼めないの」



なーんて可愛く首を傾げられると、つい頷いてしまう自分の面倒見のよさが、ああ、にくいっ！



「お願いって、なに？」



観念して訊ねると、雪美はニッコリと微笑んでみせた。



「大丈夫。たいしたことじゃないわ」



あぁ、嘘ばっかり。



雪美のお願いで、たいしたことなかったことなんて、一度もないわよ！



と、喉元まで込みあがって来る言葉を、どうしても吐き出せない。