大人恋愛部
「あれぇ?チーフ午後から外ですか?」

デスクに戻った鮎川が
ホワイトボードの私の欄をみて声をあげた


チーフになってから一人で外回りや外部の打ち合わせに出る機会は減っていた事もあって鮎川は私を覗き見る


「そうなの。
成瀬部長のサポートで山城プロジェクトに行ってくるわ。
出来るだけ、手持ちは片付けていくから
各々自分の仕事やったら帰っていいから。」


鮎川を始め
自分の班の部下を見ながら話すと
まばらに返事が返ってくる 


まぁ
体育会系部活じゃないから
返事か来たことだけでも良しとしよう

と自分に言い聞かせて
書類に目を通し始めたとき


「部長も手堅くいきましたねー。」

鮎川の声に
私は視線をあげた

ネイルを気にしながら
鮎川は気だるそうにパソコンを見つめている
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