Rest of my Prince
「胸が…苦しくて…」
男達の下卑た視線が、僕の胸に注がれる。
「で、でも…」
そんな時、桜が駆け寄ってきて。
「お姉様!!!」
桜は僕の首筋に抱きついた。
「お姉様、しっかりして下さいませ。ああ…病院…薬もない。すみません、お兄様方。お姉様を休ませて頂けませんでしょうか」
以前のような、甘ったるい喋り方で。
大きな目はくりくり動いて。
「桜…何でもしますから。お願いします、男前のお兄様方…。私達姉妹を…助けて下さい…」
聞こえてくる――。
「お前どっちよ?」
「俺はお姉サマ」
「俺はサクラちゃん」
更にはじゃんけんまで始まって。
「お願いします…後生ですから…」
か細い声を出して…そう首を傾げたら、
「し、仕方がねえ…内緒だぞ、こっそり休ませてやる」
男達は、僕達を守る守護者(ガーディアン)となり、僕達を責任を持って内部に案内してくれた。
無駄な体力消費がなくていい。
僕達は長机とソファが置かれた…休憩室のような場所に連れられて。
運がいいことに、この部屋は…警備の制御室も兼ねているらしかった。