Rest of my Prince
 

此処には煌はいないけれど。


完全にキレてしまった桜は、



「芹霞さんは何処だ、


――吐けやッッッ!!!」



そこにはもう…僕に見せていた従順な姿はなく。


男達は、美少女の豹変に…唖然とした表情で固まっている。


ヤクザより侠気あるその様子に、完全呑み込まれてしまっている。




くすり。



僕は鬘を毟り取り…床に叩き付けた。



「な!!?」



「お相手してあげるよ? もういいって言っても離してあげない。

堪能…させて貰うからね?」



そして――




「ぎゃああああ」

「うわあああああ」




男達の絶叫が部屋に響いた。


僕だって…もう限界だ。



芹霞。



芹霞。



今、行くから。



大丈夫。



大丈夫だろ!!?




僕の心臓は――


不安に波打っていた。


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