Rest of my Prince
└後編
煌Side
**************
カラオケ店から出る、俺達の動きは読まれていたらしい。
追いかけてくるバイクや車。
――パッパラ~。
改造されたクラクションの音が近所迷惑だ。
気配を隠そうとしないその尾行術を思うに、"その道"に精通した相手ではない。
荒削りで勢いで突っ走る…実践経験不足の青臭さが目立ち過ぎる。
「ああ、これが玲の言っていた…"手先"の奴らか」
櫂が鼻でせせら笑う。
"手先"とは、族のことだろう。
こんなコテコテの…時代遅れの素人集団、まだ存在しているんだ。
呆れ返るより、微笑ましくも思えてくるけれど。
「わざとらしくついてこられては、逆に表を歩き辛いな。それが狙いだろうが…際限ないし、丁度そこに公園があるから、煌…ひとまず遊んでやれ」
当然ながら、櫂の顔には怯えの色はない。
俺だって同じだ。
どんな人数増やそうと、所詮は雑魚。敵じゃねえ。
俺らが恐れる"怖い力"というものは、緋狭姉ら五皇の力くらいなもので、それ以外は恐れるに足りねえ。
「……煌。素手で秒殺だ。…殺すなよ?」
超然たる端正な顔が、更に不敵な笑みを浮かべたのを合図に、
「了解」
雪崩のように押し寄せる敵。
色取り取りの髪の色。
鉄パイプ持参の、顔中ピアスをした奴らが奇声を上げてやってくる。
その目の色を見れば、正常ではないことは確かで。
ヤバい薬か何かをやっているのだろうか。
それでも、俺の敵じゃねえ。
俺は前傾姿勢で飛び出し――
思い切り暴れた。
空高く舞い上がる男達。
俺に触れるなんて100年早い。
それが判ったのか、バイク隊が発動する。
縦横無尽に走り回る無数のバイクの動きを見きり、俺は片足だけで…乗ってた男達を次々に地に叩き付ける。
息すら乱れさせてくれねえ、弱い男達。
何だか消化不良で溜息ついた時、一際大きいエンジンの音に振り向けば。
櫂の背後から、櫂目がけてでかい車が爆走してきたのが目に入る。
「櫂、避けろ!!!」
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カラオケ店から出る、俺達の動きは読まれていたらしい。
追いかけてくるバイクや車。
――パッパラ~。
改造されたクラクションの音が近所迷惑だ。
気配を隠そうとしないその尾行術を思うに、"その道"に精通した相手ではない。
荒削りで勢いで突っ走る…実践経験不足の青臭さが目立ち過ぎる。
「ああ、これが玲の言っていた…"手先"の奴らか」
櫂が鼻でせせら笑う。
"手先"とは、族のことだろう。
こんなコテコテの…時代遅れの素人集団、まだ存在しているんだ。
呆れ返るより、微笑ましくも思えてくるけれど。
「わざとらしくついてこられては、逆に表を歩き辛いな。それが狙いだろうが…際限ないし、丁度そこに公園があるから、煌…ひとまず遊んでやれ」
当然ながら、櫂の顔には怯えの色はない。
俺だって同じだ。
どんな人数増やそうと、所詮は雑魚。敵じゃねえ。
俺らが恐れる"怖い力"というものは、緋狭姉ら五皇の力くらいなもので、それ以外は恐れるに足りねえ。
「……煌。素手で秒殺だ。…殺すなよ?」
超然たる端正な顔が、更に不敵な笑みを浮かべたのを合図に、
「了解」
雪崩のように押し寄せる敵。
色取り取りの髪の色。
鉄パイプ持参の、顔中ピアスをした奴らが奇声を上げてやってくる。
その目の色を見れば、正常ではないことは確かで。
ヤバい薬か何かをやっているのだろうか。
それでも、俺の敵じゃねえ。
俺は前傾姿勢で飛び出し――
思い切り暴れた。
空高く舞い上がる男達。
俺に触れるなんて100年早い。
それが判ったのか、バイク隊が発動する。
縦横無尽に走り回る無数のバイクの動きを見きり、俺は片足だけで…乗ってた男達を次々に地に叩き付ける。
息すら乱れさせてくれねえ、弱い男達。
何だか消化不良で溜息ついた時、一際大きいエンジンの音に振り向けば。
櫂の背後から、櫂目がけてでかい車が爆走してきたのが目に入る。
「櫂、避けろ!!!」