Rest of my Prince
「師匠頑張るんだ!!! 垂れ流しても有り余る程のその色気がZodiac3人分に勝れば、師匠は名実共に"抱かれたい男"のトップだ!! そしたらおこちゃま神崎だって、ふらふらと…蝶々のように、師匠の網にかかって"とろ~ん"と"うっとり"するってッッ!!!」
「ん……」
玲様が少し考え込んでいる。
考えるべき要素が、彼女の言葉にあったのか。
私にはよく判らない。
そして私達は、櫂様の待つ音楽室がある棟に着いた。
「第2ということは、もっと音楽室があるの?」
「一応…音大受験向けのピアノやら楽器が練習できる防音室(ブース)も入れれば、全部で第6まであるね。
さ、此処が第2だよ。ちわ~、紫堂連れてきたよ~」
がらりと遠坂由香がドアを開ければ、櫂様と馬鹿蜜柑以外に、見知らぬ男子生徒が1人。
それぞれが重い空気で作業をしている。
私達3人は顔を見合わせた。