Rest of my Prince
 
「それよか、見つけたのかよ。ぶつかった際、お前の携帯間違って持っていった女」


「いや…探しているがまるで見つからない。桐夏の制服は間違いないんだが…」


「ふうん。でもお前携帯持ったばっかで登録も俺達だけなんだろ? 別に、支障ねえんじゃないの?」


「そういう問題じゃないんだ!! "彼女"だって困るだろうし、大体あの携帯は、周涅が買ってくれた…」


「はいはい、ブラコン」


「お前に言われたくないな」


あたしは足を止め後ろを振り返り、先程の衝突の状況を思い返した。


肩までの黒髪。

白い肌に、神秘的に輝く大きな目。


ぶつかった瞬間――


その瞳の力に囚われた。



あの目に…あたしは魅了されたのだ。



「また…会う気がする」



それはどんな根拠かは判らないけれど。



「また会いたい…」




そう思った。





Fin.
< 165 / 235 >

この作品をシェア

pagetop