Rest of my Prince
「それよか、見つけたのかよ。ぶつかった際、お前の携帯間違って持っていった女」
「いや…探しているがまるで見つからない。桐夏の制服は間違いないんだが…」
「ふうん。でもお前携帯持ったばっかで登録も俺達だけなんだろ? 別に、支障ねえんじゃないの?」
「そういう問題じゃないんだ!! "彼女"だって困るだろうし、大体あの携帯は、周涅が買ってくれた…」
「はいはい、ブラコン」
「お前に言われたくないな」
あたしは足を止め後ろを振り返り、先程の衝突の状況を思い返した。
肩までの黒髪。
白い肌に、神秘的に輝く大きな目。
ぶつかった瞬間――
その瞳の力に囚われた。
あの目に…あたしは魅了されたのだ。
「また…会う気がする」
それはどんな根拠かは判らないけれど。
「また会いたい…」
そう思った。
Fin.