Rest of my Prince
櫂Side
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「ねえ、緋狭姉って何処に勤めているの?」
芹霞の質問に、俺達は黙って顔を見合わせた。
「緋狭姉は美人だけど、破天荒すぎでしょ。そんな緋狭姉を雇ってくれる処って何処なのかな。あたし妹なのにちっとも判らなくて…」
当然だ。
緋狭さんは、芹霞に自らの職に関して黙したがっている。
だから俺達は、今まで通り…
「詳しい処は知らん」
という姿勢を貫くことしか出来ず。
ぽろりとでも口にしてしまえば、後でどんな制裁が加えられるか判らない。
特にうっかり派の煌などは、必要以上に神経を尖らせている。
制裁の恐れは勿論…皆、緋狭さんの芹霞への愛情を感じるが故に。
あくまで芹霞を、"一般人"にしておきたい姉の心。
彼女に救われてばかりの俺達が、反対する理由など何もない。
「あの緋狭姉を部下にする上司って、同情しちゃうなあ…。懐柔できたとしたら、余程出来た上司だよね」
同情の余地すらない厄介過ぎる上司だとは、思ってもいないだろう。
本当に…どうして気付けないのだろうと考え込んでしまう程、芹霞は鈍感だ。
それを思い知っている俺としては、苦笑するしかない。
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「ねえ、緋狭姉って何処に勤めているの?」
芹霞の質問に、俺達は黙って顔を見合わせた。
「緋狭姉は美人だけど、破天荒すぎでしょ。そんな緋狭姉を雇ってくれる処って何処なのかな。あたし妹なのにちっとも判らなくて…」
当然だ。
緋狭さんは、芹霞に自らの職に関して黙したがっている。
だから俺達は、今まで通り…
「詳しい処は知らん」
という姿勢を貫くことしか出来ず。
ぽろりとでも口にしてしまえば、後でどんな制裁が加えられるか判らない。
特にうっかり派の煌などは、必要以上に神経を尖らせている。
制裁の恐れは勿論…皆、緋狭さんの芹霞への愛情を感じるが故に。
あくまで芹霞を、"一般人"にしておきたい姉の心。
彼女に救われてばかりの俺達が、反対する理由など何もない。
「あの緋狭姉を部下にする上司って、同情しちゃうなあ…。懐柔できたとしたら、余程出来た上司だよね」
同情の余地すらない厄介過ぎる上司だとは、思ってもいないだろう。
本当に…どうして気付けないのだろうと考え込んでしまう程、芹霞は鈍感だ。
それを思い知っている俺としては、苦笑するしかない。