Rest of my Prince
少しでも――
俺と芹霞の仲は進んでいるのだろうか。
「ねえ、師匠。神崎との"おでかけ"、何処行くつもりなのさ~」
「ふふふ。それは芹霞にも内緒」
「玲、本当に幸せそうで何よりだッッ!! たかが1日。俺と芹霞は8年間も同棲してるもんな!!! 一緒におねしょした仲だもんな?」
「!!! いつの話よ!!!」
「……煌、言ったはずだよ。
言葉遣い、正しいものを使おうね?」
「はい、ビビッた如月の負け!! むふふふ」
「…馬鹿蜜柑」
――芹霞は手強いぞ?
最強の紅皇にそう言わしめる芹霞求めて、俺は藻掻き続けるけれど。
――あいつの"力"は潜在的だ。
俺は…芹霞が凡人だとは思っていない。
何せあの紅皇の血を濃く受け継ぐ者。
そして…紅皇が必死に守ろうとしている存在であれば。
――魅了眼だよ。
いつか…緋狭さんはそう笑ったことがある。
――芹霞の武器は、"目"だ。
どこまでも神秘的なその瞳。
誰もの心の奥底にある闇を看破するその目。
誰をも惹き付け、魅了するその瞳。
――だからこそ、あいつを守る男は強くなくてはならん。
俺が一番好きな…美しい黒い瞳。
――あいつは自ずと闇を引き寄せる。
――だから、坊の闇の力は…運命なのかもな。