Rest of my Prince
煌Side
**************
――月が綺麗な夜だ。
――如月煌と名付けよう。
初めて緋狭姉とまともに会話したのは、昔昔の2月の月夜。
BR002と呼ばれていた俺は、そこから"如月煌"となった。
出会いなんて覚えちゃいねえ。
だけど俺にとって緋狭姉は救い手で。
今の俺が、誰よりも"感情"を表にに出すようになったのは、"愛情"をくれた神崎姉妹のおかげ。
特に緋狭姉の愛情は、とても大きくて、痛くて、苦しくて。
本当にもういらないデスと逃げ出したくて仕方が無いけれど。
謹んでお返ししても、更に倍以上になって跳ね返ってくる…厄介…いやありがたいものだけれど。
それが緋狭姉流の愛の示し方だと思っていた俺は、俺以外の奴らと緋狭姉の接し方がまるで違うことに驚いた。
何故だ!!?
思い返せばイロイロあった。
――ほほう、芹霞。煌が人参を食わないとな? お前のやり方が生温いのだ。やるならもっと徹底的に。寝ても覚めても人参で行け。
俺の嫌いな橙色。
食べてもおいしいとちっとも思えない緑黄色野菜。
緋狭姉と芹霞がにやりと笑った時から、俺の周囲は人参で溢れた。
おかずは無論、人参ご飯、人参味噌汁。キャロットケーキ、キャロットジュース。
飯からデザート、飲み物に至るまで、全てがあの橙色。
後で聞けば、玲が暗躍したという。
**************
――月が綺麗な夜だ。
――如月煌と名付けよう。
初めて緋狭姉とまともに会話したのは、昔昔の2月の月夜。
BR002と呼ばれていた俺は、そこから"如月煌"となった。
出会いなんて覚えちゃいねえ。
だけど俺にとって緋狭姉は救い手で。
今の俺が、誰よりも"感情"を表にに出すようになったのは、"愛情"をくれた神崎姉妹のおかげ。
特に緋狭姉の愛情は、とても大きくて、痛くて、苦しくて。
本当にもういらないデスと逃げ出したくて仕方が無いけれど。
謹んでお返ししても、更に倍以上になって跳ね返ってくる…厄介…いやありがたいものだけれど。
それが緋狭姉流の愛の示し方だと思っていた俺は、俺以外の奴らと緋狭姉の接し方がまるで違うことに驚いた。
何故だ!!?
思い返せばイロイロあった。
――ほほう、芹霞。煌が人参を食わないとな? お前のやり方が生温いのだ。やるならもっと徹底的に。寝ても覚めても人参で行け。
俺の嫌いな橙色。
食べてもおいしいとちっとも思えない緑黄色野菜。
緋狭姉と芹霞がにやりと笑った時から、俺の周囲は人参で溢れた。
おかずは無論、人参ご飯、人参味噌汁。キャロットケーキ、キャロットジュース。
飯からデザート、飲み物に至るまで、全てがあの橙色。
後で聞けば、玲が暗躍したという。