Rest of my Prince
「はい、次は如月ね。2。『拾った犬が、毎晩ネオン街の片隅…例えば入って2本目小道に位置する、『MOON』という名のバーと、隣の焼き鳥屋の倉庫の間の細い路地裏とか、古くなって廃墟と化した3階建ての建物の…鍵が壊れている場所から入れる非常階段とか、或いは『エデン』という名の宿泊施設とかで、片っ端から雌犬を漁(あさ)って盛るので去勢しました。手術代10000円支払う』。うっわー、ヤリたい放題だね、節操ないねこのワンコ。しかし妙な処で盛るね、きっと雌犬なんか欲望の捌け口にしか思ってないんだね。
ん? ほら如月、お金!!」
「~~ッッ!!!」
煌は青いマスを睨み付けながら、真っ赤な顔を更に紅くさせた。
「ねえ、どうして煌…不機嫌なんだろ」
「さあ? ワンコ同士で、何か感じる処があるんじゃない?」
玲が引き攣った顔で笑った。
「んー、だけどワンコの話だからね~。こんな男いたら、最低だよね。どんなに顔が良くて性格良くてお金あっても、女の子大事にしないで変な処で盛ってばかりなんて、絶対あたしそんな男嫌だ。クズだよね。仮に真剣に愛の告白されたとしても、一生信じられない。及びじゃないって感じ」
煌が――
仰向けに倒れた。
「煌、煌!!? 大丈夫!!? 顔真っ青だよ!!?」
「……馬鹿蜜柑…」
ぼそり。
桜が呟いた。