Rest of my Prince
「はい、最後は神崎ね~。8。『好みの王子様が沢山現れ、選択に迷いました。1.黒髪の王子様。2.オレンジ髪の王子様。3.焦げ茶髪の王子様。どれにしますか』おお、これは新機能だよ。選択肢によって貰える金額が違うんだ。さあさ、選んでくれ神崎」
この赤いマス――。
にしても、芹霞に向けられる眼差しは熱く。
俺を含めてだけれど。
誰もが芹霞の返答を待っている。
「ううん? 何で髪の色? やっぱ選ぶなら、将来性でしょ」
何とも堅実な返答で。
母親代わりの玲の躾のせいだろうか。
玲はかなり"倹約"を教え込んでいる。
「じゃ例えば、どんなもの?」
遠坂が聞いた。
「やっぱさ、顔もよく頭もよく体格もよく。お金もあって誰からも好かれていて出世しそうで。凄く優しいけれど少し強引な処見せる男らしさもあって。女にもてるけど絶対浮気しないで一途でいてくれて。どんな時でも頼りになる人がいいよね」
「……。神崎は、何気にハードル高いよね。じゃあさ、目の前のこの色男3人と結婚するとしたら、誰? 誰の嫁になりたい?」
三日月型の目をした遠坂が、爆弾を投下した。
途端に場は、異様な緊張に包まれて。
「うーん。嫁になるとしたら? うーん」
何で…そんなに悩むことがあるのか。
はあ。
8年前なら、即座に俺を選んでくれていただろう?
「それとも、大穴狙って…葉山?」
「「「「え!!?」」」」
桜以外の全員が、思わず桜を見た。