Rest of my Prince
 
中々に面白い。


あいつが焦る顔は、中々にいい。


あいつのああいう顔を拝める奴は、他にどれ程いるのだろうか。


言葉に出して求めても、せりが拒否したあの時。

せりが欲しいと泣いていた紫堂櫂。


何処までも女を惹き付ける容貌で。

何処までも男に羨まれる環境に居て。


追い求めるのはせりただ1人。


涙を見せ、弱さを見せてまで。


欲しがるのはせりただ1人。


その姿は、泣き叫んで駄々をこねる子供そのもので。



そして――


オレを選んだせりを連れ帰したのは――


そんな…紫堂櫂という存在。



「何で玲くんと観覧車に乗っちゃ駄目なのよ!!?」



せりを惑わせる、そんな存在は…紫堂櫂。



きっと誰もがそれを判っている。


だけど紫堂櫂への信頼は薄れない。


だからこそせりを奪いに動けないのだ、彼らは。


「あははは、楽しいね。本当に」


久々に笑える毎日。


月2度の…爆笑タイム。

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