Rest of my Prince
何より、途中…上手く行っていたはずの恋愛が。
"大本命"が他の奴に奪われたのが悔しくて仕方が無い。
せめて玲のように二股でもかけて、婚約までこぎつければまだしも。
さらりと、俺の元から去っていって。
付き合った、次の日に。
「でもまあゲームだし」
「ゲーム!!? 占いって言ったの、誰だよ!!?」
煌はどうしても、実りある結果を信じたいらしいが、俺は冗談じゃない。
「ねえ、由香ちゃん。前半部分の赤と青のマスなんだけど」
玲が恐る恐る、遠坂に聞いた。
「ああ、あれ?」
遠坂の目は三日月型で。
「と、ある処からの情報提供。違うバージョン沢山あるから、また皆でやろうね?」
「ぼ、僕は遠慮したいな…。何だよ、罰ゲームかよ? 何が嬉しくて芹霞の前であんな連発…いやこれは僕の独り言。というより、一体何処からそんな情報仕入れてるんだよ」
「ふふふ、"彼ら"は耳聡いからねえ」
たかがゲーム。
されどゲーム。
ゲームが人生の模倣なら。
俺は決して失敗だけはしたくない。
否。
例え失敗したとしても、這い上がってみせる。