Rest of my Prince
一番に反応したのは玲だ。
「芹霞。どんな秘密かな? ねえ…僕、その王様ゲームとやらをよく知らないんだ。まさか噂に聞く、芹霞があんな"いかがわしい"ゲームを、見知らぬ男達としていたなんてこと、ないよね?
教えて? 君がしたゲームはどんなゲーム?」
「いかがわしい?」
「男達?」
櫂と俺が、即座に玲の言葉に反応する。
芹霞は口に手をあて、涙目でぶんぶん頭を横に振る。
言いたくないらしい。
「なあ、玲。その王様ゲームってのは、どんなゲームなんだ?」
「ん? 僕が知っている限りでは、場に居る全員が一斉にくじをひいて、王様のくじを引いた者が、番号をひいたその他の人達に、どんな命令でも出来るっていう合コンの定番。例えば、何番と何番が抱き合うとか、キスするとか…」
「「!!!」」
俺と櫂は同時に立ち上がり、芹霞に詰め寄った。
「いつ、何処で、どんな奴と、どんなことをしたんだ!!?」
「お前…俺達が居ない間に、何やってんだよ!!?」
芹霞は口に手をあてて、首をぶんぶん横に振ったまま。
ああ、こいつ口を割らないつもりだ。
それが余計にイライラを募らせて。
どうしてやろうかと、櫂が腕を組んで考え込んだとき。
「…あ、もしもし弥生ちゃん? あのね、1つ聞きたいことがあるんだけれど、ははは、そう、今正にまさしくそれに直面していてね。
うんうん…。……。……。そうか、判った。ありがとう、じゃあね」
携帯慣れしているのか、女慣れしているのか。
何とも鮮やかでスマートに情報を得る玲。
こいつが諜報部門にいるのは、最適かもしれねえ。