Rest of my Prince
「芹霞…弥生ちゃんと行ったんだね?」
「!!?」
「そうか、そうなんだ。まあ…盛り上がってよかったね?」
玲の顔がえげつなく。
櫂が、玲に詳細を聞けば。
「最近あまりにアキバ系に追いかけられるようで、芹霞が理由を聞いたらさ、桜のファンなんだって。桜と一緒に居たのをみられたらしい」
「私!!?」
突然話を降られた桜は、大きな目を暫し瞬かせた。
芹霞は観念したように項垂れて言った。
「しつこいから、桜ちゃんに付き纏うなって言ったらさ、"ボクちゃんを命令できるのは、王様ぐらいだね~"なんてほざくから、弥生が悪乗りして。カラオケ行きました」
そして頭をぽりぽりと掻いて。
「アニソン上手くてさ、めちゃ盛り上がって。リュックからコスプレ取り出して、もうノリノリで。で、弥生がはじめた"王様ゲーム"で、桜ちゃんの件は解決したから」
「何で隠そうとした?」
「弥生がね、絶対櫂にばれたら監禁だっていうから。だけど玲くんにばらすって何?」
つまりは、危惧すべきものではないということで。
「しかしイマドキのアキバ系って、美形なんだね~。ぱっと見判らないよ」
再び、芹霞が俺達を煽って。
「あたしオタクは"もさっと"してるって偏見持っていたけれど、あんなに有名金持ち高校の美形で、アニオタで話面白ければ、また会ってみたいよ。まあ言葉遣いやマザコンはいただけなかったけれど」
「おぉ、神崎もこっち側の住人になるかい?」
「いっちゃうかな~」
遠坂と抱き合おうとした芹霞の襟首を、俺は掴んで宙に持ち上げた。
「お前は監禁決定だ。アキバ系だろうと何だろうと、警戒心がなさすぎる。な、櫂?」
櫂は深く何度も頷いた。
「ひどっ、横暴!!!
弥生の馬鹿!!」
「そうか、今の時代…アキバ系だからと油断できないね。金持ち、美形…ふうん、敵は至る処にいるわけか。これは厳重管理しないと。GPSに識別センサーつけようかな」
玲は何やらぶつぶつと呟いていて。