Rest of my Prince
「煌。王様の命令は、絶対的。
――行け」
そう凄んだ声を出したのは桜。
「玲の唇舐めるくらいなら、こ…」
「香水女がいいとか言い出すなら、絶交!!!」
しまった、思わず口が滑って。
しねえって。
絶対しねえから持ち出したのであって。
俺、誰とも唇ちゅうしないのポリシーだったし。
「早くしないと、絶交」
「~~~ッッッ!!!!」
「絶交~!!!」
ペロッ。
「「うえ~ッッ!!!」」
俺と玲は同時に、弾かれたように反対側で寒気を堪えた。
人生の中で、ワースト3に入るくらいの汚点だ。
「犬。犬だ犬。犬に舐められただけ…」
ぶつぶつと玲の声が聞こえる。
だから、俺は犬じゃねえのに!!!
「ねえ、王様。哀れな奴隷にお慈悲はありますか?」
突如玲が首を傾けて。
つられて芹霞も首を傾けた。
ちゅっ。
「ふう…。ようやく落ち着きました。ありがとう王様」
「い、いえいえ…」
「玲~~ッッ!!! されたお前が、どうして芹霞に頬ちゅうすんだよ、それだったら穢れた俺の舌洗浄に…」
「黙りやがれ、駄犬ッッ!!!」
どうして――
俺が桜に殴られるんだ?
櫂は、バツが悪そうにしていて。
それとも、目を穢してしまったのか。
玲の頬ちゅうをとめれなかったのは、櫂の精神的要因があるはずだ。