Rest of my Prince

僕は大人じゃない。

僕は余裕じゃない。


それをひた隠して、唯の教育係のように…

"教える"というスタンスでしか、君に接触できないのが哀しくて。


出来れば櫂の様に。

出来れば煌の様に。


君と対等の立場に立って――

真っ直ぐに君を引き寄せることが出来るのなら。


何に対しても怯えること無く、正々堂々と君を抱きしめることが出来るのなら。


そしたら僕は、より一層愛を注ぎ込んで上げるのに。


長い長いキスをして。

長く長く触れ合って。


僕じゃないと嫌だと思う程、感じさせて上げるのに。


僕だけの愛を刻み込めるのに。


もうそろそろ、"僕"を出してもいいのかな。

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