Rest of my Prince
 
僕を縛りつけてよ。

君を雁字搦めに縛らせてよ。


ああ、本当にもう苦しいんだ。


悪いけど、櫂、煌。


僕は動くから。


このまま何もしないで狂ってしまうのなら、芹霞を穢してでも…手に入れようと頑張って狂いたい。


僕のものだと…主張したいんだ。


"約束の地(カナン)"での告白を、真面目にとって貰いたいんだ。


判る。


"約束の地(カナン)"の時の方が、僕を意識していてくれたこと。

今はもう、冗談にされていること。


確かに芹霞と2人きりで、それを再現するタイミングはなかったのは事実だけれど。


一度告げたのだから、判っていてくれていると思っていたのは僕だけで、思っていた以上に…君は手強かった。


どうして持続性がないの?

どうして君から返るものはないの?


"お出かけ"したいと勉強を頑張ったあの時のように、ただひたすら僕を求めて貰いたいんだ。


僕への興味を、Zodiacなんかと同じにしないでよ。


僕で駄目なら、"僕"がもう一度君に愛を告げるから。


芹霞、君は"僕"を受け取れてくれるだろう?


ねえ、"僕"を拒まないで?


僕のスタートは、多分そこから。


そこから初めて、櫂や煌と同位置の開始線に立てるんだ。



何処かで…

笑い声がした。




Fin.
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