Rest of my Prince
馬鹿蜜柑がじっと札を見ている。
「俺…この"2"、革命起こしたくない。ずっと持っててもいい?」
馬鹿蜜柑。
自分で2が4枚あるなどばらした上に、芹霞さんのイラストが余程気に入ったらしい。
その顔を赤く染めて、なでなでとカードを摩っている。
櫂様や玲様は一同にそれを見ようとするが、
「あっち行けよ、しっしっ!!! 全ての芹霞は俺んだ!!!」
ぎゃんぎゃん、吼えた。
「あのさあ、如月…。実に言い難いけれど…順番決めで、ビリは1番の者に最強の札2枚渡し、1番の者から最弱の札2枚貰って…交換するルールがあってさ、1番は師匠で…ビリは君…」
途端に煌は、玲様を威嚇して、4枚のカードを胸に抱いた。
「やらねえ、絶対俺の芹霞はやらねえ!!!」
「そう? 僕もいらないね、こんなへたれワンコ2枚も」
にっこり。
「ああ!!! とるなとって行くな、俺の芹霞~ッッ!!!」
玲様が実力行使に出たらしい。
「"俺の""俺の"煩いね、煌。
あまり煩いと――
黙らせるけど?」
玲様がにっこり笑って、拳を握る。
「!!!」
途端に煌は正座して沈黙した。
それを見ていた櫂様と芹霞さんが、顔を見合わせて大きな溜息をついていた。