Rest of my Prince
「いひゃい、いひゃい!!!」
俺は芹霞の頬を抓る。
「全くお前は…次から次へと、どうして!!! せめて!!! どうしてもっと平々凡々な奴にしないんだよ!!!」
「!!?」
心配が尽きない。
気を抜けば、誰かに芹霞を掻っ攫われそうな現実。
掻っ攫われてもおかしくない男達に想われている。
俺は此処に居て。
俺は12年間も芹霞が好きで。
それを芹霞に伝えたはずなのに。
その俺の手を払って、楽しそうに遊ぶのは俺以外の奴ら。
芹霞にはいつも笑っていて貰いたいけれど。
だけど、俺のいない場所で笑って貰いたくはない。
俺以外の奴と2人で何処かに行かないで欲しい。
心配で溜まらないんだ。
お前を見ていないと、ちゃんと目の届く処に置いておかないと。
俺の心が晴れない。
遊園地というのは、楽しい場所なんだろう?
俺…笑っていないのに、お前気付いているか?
お前の目に、俺は入っているのか?
そう思ったら…酷く遣り切れない心地となり、奇異なる周囲の眼差しなどお構いなしに、芹霞の手を引いた。