Rest of my Prince
駄目だ。
"その他諸々の中の1人"
そんな扱いに、俺は堪えられない。
そんな心境の中で、また感じた…あの視線。
「余裕ないね、あははははは~」
俺は認めない。
俺が感じる視線は、俺の中の…青い記憶を刺激するものと同じなんて。
「坊もまだまだだな。だけど見てみろ、坊の威圧感に…誰もが手を出せないらしい。坊の"遠慮"がなくなれば、坊の1人舞台か。ふむ、坊が優勢か」
さらにもう1つの視線も、俺の中の赤い記憶を刺激するものと同じなんて。
気のせいだ、気のせい。
俺の鬱屈とした心が幻影を見せているだけだ。
氷皇と紅皇が、コーヒーカップに乗って、猛烈な早さで回転させているなど。
ありえない。
「あれ、行っちゃうの? 無視? どうしよう、アカ」
「アオ。坊は今、悩める思春期って奴だ。元より私達は、こっそり見守っているスタンス。気付かれてはいけないからな、さあ次に行くぞ」
気のせい、気のせい。
俺は、芹霞を引き摺ったまま…晴れぬ思いを抱えながら、1つのアトラクションに入った。