Rest of my Prince
煌Side
****************
変な視線を感じる。
殺意や敵意ではないが…何か…慣れたようでいて気が許せない、そんな妙な視線。
俺は条件反射で櫂の傍に張り付いた。
「煌…この視線は、気にするな」
櫂には珍しく、歯切れ悪い口調。
「だけどよ、ここの処ずっと…ねえか、この視線」
俺の顔は警戒に強張ったまま。
「本当に…何してるんだか。"必然"ではないことを祈るよ」
櫂は大きな溜息をついて、苦笑している。
「何のことだが判らねえけどよ。だけどま、お前が何か知ってて納得済みなら、俺も必要以上に詮索はしねえがよ」
櫂は――
敵の察知が早いから。
櫂が大丈夫だというのなら、本当に大丈夫なのだろう。
俺達紫堂の警護団は、緊急事態に陥らない限りは、やたらめったら武器を顕現することは赦されていねえ。
武器を使う程の相手も、日常生活において差し向けられる刺客ぐらいなら、片手だけで充分。
元来、武器など使うのは、俺と桜くらいなもので。
その桜も、緋狭姉に師事して顔つきが凛々しくなってきた。
だから俺も基礎鍛錬しようと、毎日朝から汗みどろ。
そして家帰って風呂入ってさ、出てきたら芹霞が作ったご飯があるなんて、もう本当に最高の環境だと思う。
たとえ芹霞が、参考書片手に俺と目を合わさなくてもさ。
別に芹霞ががり勉になっちまっても…俺と芹霞は同じ屋根の下なんだし。
たとえ芹霞にやたら張り付く、宮原と遠坂が…勉強会という名のお泊り会を連続決行していようがさ。
遠坂なんて、兄の榊が怒るから一旦家に戻るって櫂の家を出たのに、神崎家ばかり泊まりにくるのをおかしく思ってもさ。
辛抱強く2人の時間を待ちに待って、触れた途端、"絶交"の一喝くらってもさ…。
しな垂れた俺をげらげら笑い転げて見ている女2人が居てもさ…。
別に…いいけど…さ。
…………。
……はあ。
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変な視線を感じる。
殺意や敵意ではないが…何か…慣れたようでいて気が許せない、そんな妙な視線。
俺は条件反射で櫂の傍に張り付いた。
「煌…この視線は、気にするな」
櫂には珍しく、歯切れ悪い口調。
「だけどよ、ここの処ずっと…ねえか、この視線」
俺の顔は警戒に強張ったまま。
「本当に…何してるんだか。"必然"ではないことを祈るよ」
櫂は大きな溜息をついて、苦笑している。
「何のことだが判らねえけどよ。だけどま、お前が何か知ってて納得済みなら、俺も必要以上に詮索はしねえがよ」
櫂は――
敵の察知が早いから。
櫂が大丈夫だというのなら、本当に大丈夫なのだろう。
俺達紫堂の警護団は、緊急事態に陥らない限りは、やたらめったら武器を顕現することは赦されていねえ。
武器を使う程の相手も、日常生活において差し向けられる刺客ぐらいなら、片手だけで充分。
元来、武器など使うのは、俺と桜くらいなもので。
その桜も、緋狭姉に師事して顔つきが凛々しくなってきた。
だから俺も基礎鍛錬しようと、毎日朝から汗みどろ。
そして家帰って風呂入ってさ、出てきたら芹霞が作ったご飯があるなんて、もう本当に最高の環境だと思う。
たとえ芹霞が、参考書片手に俺と目を合わさなくてもさ。
別に芹霞ががり勉になっちまっても…俺と芹霞は同じ屋根の下なんだし。
たとえ芹霞にやたら張り付く、宮原と遠坂が…勉強会という名のお泊り会を連続決行していようがさ。
遠坂なんて、兄の榊が怒るから一旦家に戻るって櫂の家を出たのに、神崎家ばかり泊まりにくるのをおかしく思ってもさ。
辛抱強く2人の時間を待ちに待って、触れた途端、"絶交"の一喝くらってもさ…。
しな垂れた俺をげらげら笑い転げて見ている女2人が居てもさ…。
別に…いいけど…さ。
…………。
……はあ。