Rest of my Prince

「如月~、毎日そんな恨みがましいお目目でボクを見るなよ~」


からからから。


絶対判って大笑いしてやがる、この三日月の目は。


「これだけずっと顔あわせていると、ボク君と同棲している気分だ」


今日は遊園地の日。宮原は用事で、遠坂だけ俺達と一緒だ。



「違うだろ!!! 俺が同棲しているのは……」



「……煌、誰が"同棲"かな?

言葉の正しい使い方、教えてあげようか?」



玲が…にっこりと笑った。


不気味な影在る笑い方。


いわゆる、"えげつねえ"奴だ。


「師匠、ボクがいるから大丈夫だからね?」

「ふふ、ありがとう、由香ちゃん」


誰か何とかしてくれよ、このコンビ。


俺の恋路はこいつらに阻まれる。



「きゃははははは。あげる」



気づけば、目の前にチビが風船をくれた。


毎回来るたびに、1つしかない赤い風船をくれるチビ。


月か旭か…そんなことはもうどうでもいいけれど。


こんなチビに慰められるなんて…。


だけど、何かじんとくる。



「お前、年上を敬えよ!!?」


「そんなの、人によりけり、だ!!!」



怒鳴り声の応酬に振り返れば、櫂と久遠。
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