Rest of my Prince
芹霞Side
***************
「すみません、タクちゃんのお母さんいませんか~?」
「ママあああああ」
「タクちゃんのお母さあああん!!」
うう。
迷子の少年を拾ってしまった。
だってこの子、昔の櫂に似ているんだもの。
ふわふわ。
ぽてぽて。
思わずぎゅうをしてしまった途端、少年は母親を見失った。
完全に――
あたしが悪い。
あたしが誘拐したようなもの。
だから責任もってお母さんに引き合わせたいのに、それらしき影は現れない。
人ごみなら見つかるかと思ったのに…人波が邪魔なだけであたしの声は埋もれる。
これなら、迷子センターに届けて、アナウンスでもかけて貰えばよかった。
だけどこの場所から、どう行けば行き着くのも判らない。
迷子が更に迷子になりそうな状況。
「お姉ちゃん、ママがいないよおおお」
あたしはタクちゃんの手をぎゅっと握りしめて、
「大丈夫、お姉ちゃんが絶対みつけてあげる」
見つけた後は、あたしが迷子になっているだろうけれど。
それは笑って誤魔化した。
やばいな、時間がたちすぎている。
本当に見つかるだろうか…。
そう不安になった時、
「芹霞、お前何してんだよ!!?」
目に鮮やかな橙色。
2m近い巨体。
こいつは――
「煌、ナイス!!!」
絶対使える。
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「すみません、タクちゃんのお母さんいませんか~?」
「ママあああああ」
「タクちゃんのお母さあああん!!」
うう。
迷子の少年を拾ってしまった。
だってこの子、昔の櫂に似ているんだもの。
ふわふわ。
ぽてぽて。
思わずぎゅうをしてしまった途端、少年は母親を見失った。
完全に――
あたしが悪い。
あたしが誘拐したようなもの。
だから責任もってお母さんに引き合わせたいのに、それらしき影は現れない。
人ごみなら見つかるかと思ったのに…人波が邪魔なだけであたしの声は埋もれる。
これなら、迷子センターに届けて、アナウンスでもかけて貰えばよかった。
だけどこの場所から、どう行けば行き着くのも判らない。
迷子が更に迷子になりそうな状況。
「お姉ちゃん、ママがいないよおおお」
あたしはタクちゃんの手をぎゅっと握りしめて、
「大丈夫、お姉ちゃんが絶対みつけてあげる」
見つけた後は、あたしが迷子になっているだろうけれど。
それは笑って誤魔化した。
やばいな、時間がたちすぎている。
本当に見つかるだろうか…。
そう不安になった時、
「芹霞、お前何してんだよ!!?」
目に鮮やかな橙色。
2m近い巨体。
こいつは――
「煌、ナイス!!!」
絶対使える。