Rest of my Prince
どうして――
煌とはこんな感じなのかな。
別にわざとじゃないんたけれど、いつも煌の機嫌を悪くさせてしまう。
だけど、あたしは煌が好きなんだ。
それは判ってくれてるのかな。
男だとか女だとか、そんなものを超えたレベルでの煌が好き。
それだけじゃ、駄目?
「ワンワン、あれ乗りたい」
「いて、髪引っ張るな、このガキ」
タクちゃんに髪を引っ張られたまま、あたし達はメリーゴーランドに向かう。
「ワンワン、オウマ」
「何で俺が…」
ぶつぶつ言いながら、それでも煌は優しくタクちゃんを下ろして、メリーゴーランドの馬に乗せる。
「見ててやるから、落ちるなよ?」
人懐っこい笑顔を見せて手を振れば、タクちゃんはきゃっきゃと笑って大喜び。
「…判ってないよね…」
「あ?」
柵に寄りかかりながら、あたしは煌を見上げる。
「あんた、本当に人から好かれやすいよね」
煌の眉間に皺が刻まれた。
「そんな顔しなければ、あんた薔薇色の人生だよ。モテモテ」
「お前…熱でも出たか?」
「人の話聞かないのが難点」
「それはお前もおんなじだろうが」
「あたし聞いてるじゃない」
「じゃ言ってみ? オレが前、お前に言ったこと。絶対なかったようにするなって言ったこと」
「~~ッッッ!!! この…ドS!!!」
褐色の瞳は、甘く揺れて。