Rest of my Prince
芹霞Side
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「神崎~!!! 鬼ごっこしようよ!!!」


由香ちゃんは遊園地に来ると、必ず旭と一緒にいる。


月ちゃんと遊んでいた時を思い出すと、本当に双子の天使がお気に入りらしい。


旭も、すましたような初対面から一転し、月ちゃんのような"きゃはははは"で、由香ちゃんを翻弄している。


今では、旭なのか月なのかよく判らないけれど、前よりも凄く楽しそうで安心する。


13年前の姿より、遥かに今を満喫している。


それだけでもう…あたしは胸が一杯になる。


よく耐えていたね。


よく我慢していたね。


我慢の辛さは…多分玲くんが一番判っているはずだ。


玲くんは表立って旭達と接触しないけど…時折見守る目は温かい。


玲くんも、思い切り笑って思い切り楽しん貰いたいな。


玲くんを日陰に終わらせては駄目だ。


櫂に対する忠誠心は判るけれど、それはそれ。


彼の人生の全てを闇に葬ってはいけない。


彼には彼の"生"がある。


だから、意地でも玲くんと"おでかけ"して、彼にもっと外界を満喫して貰いたいんだ。


このままだと玲くん、櫂の家でミイラになっちゃうから。


家に居ても外界に詳しい玲くんとのおでかけなら、きっとあたしも知らない世界がある。


一緒に、外の世界を知ればいいでしょう?


そんな純粋な心を、何で皆邪魔するのかな。


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