Rest of my Prince
「本当櫂は可愛いな。風で止めても、僕の力は電気なのにさ」
そこから…
観覧車は止まったり。
動き出したり。
止まったり。
また動き出したり。
腕を組んだまま地上を見下ろす玲くんは、本当に楽しそうで。
「玲くんって…櫂が好きなんだね…」
妬けてしまうほど。
「僕は君が好きだよ?」
さらり。
「あたしも玲くん好きだよ?」
さらり。
すると突如玲くんの顔が翳る。
「仕切りなおしかな…」
「え?」
それは傷ついたような悲しい顔で。
待って?
今、あたし玲くんのこと好きだって言ったよね?
あたしの"好き"は迷惑だったの!!?
「ご、ごめんね、玲くん。あたし図に乗って玲くんのこと好きって言っちゃって。あははは、気にしないで…」
「芹霞…おいで」
玲くんが切なげに笑って手を広げるから。
あたしはいつもの如くそちらに行く。
いつもほっこり笑って温かい玲くんは、あたしを胸に抱いて溜息をついた。