Rest of my Prince
 芹霞Side
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『占いの館』


一度入ってみたかった場所。


女の子は大概占い好き。


今日は由香ちゃんも弥生もいないから、蓮と旭を連れてこようとしたんだけれど、


――いつ生まれたのか知らぬ。運命など興味ない。


蓮はそう言って、旭と共に風船を配りに行ってしまった。



彼女の心境思えば、浅はかだったかもしれない。仕方がなくあたし1人で入ろうとしていた時に、


――芹霞、何占うの?


玲くんがやってきて。


――相性占い、やってみようか。


2人で入ろうとした時、櫂と煌も来て。


――お前の恋愛運でも傍観してやる。


勝手に恋愛占いにしてしまった。


あたしは勉強運を見てもらおうとしたのに。


櫂と煌と玲くんがいるのなら、桜ちゃんと久遠もと思って呼んだけれど。


立ち上がった久遠は桜ちゃんの手を引いて歩いてきて、こちらにポイと捨てるように放ると、自分は背を向けていってしまった。


クールというのか素っ気無いというのか…。


きっと自ら遊んで楽しもうとしない桜ちゃんを連れてきてくれたんだけれど、年長者のせいか、妙にお節介焼きなのが面白い。


まあ弟を大事にしてきた彼だから、櫂を始めとした皆が…手のかかる弟のように思えているのかもしれない。


もっと素直になって、皆と楽しめばいいのにな。


占いの館は、本格的な作りで…神秘的で妖しい空気に包まれていた。


壁にはパネル。


"タロット"、"手相"、"水晶"、"星占い"


「どれにする?」


男連中は微妙な顔をした。


あまり占いというものは信じていないのか。

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